オンゲキで、名もなき最強のデータを作りてえ

天才鯖ブログリレー9月担当のけにちのです。

(超ギリギリになってしまい申し訳ない………………)

天才鯖ブログリレーは、身内用Discordサーバー天才鯖のメイツで月1でブログリレーをしていこうという企画です。

(先月号はサーバー内限定公開記事なので先々月号のリンク)

note.com

 

9月号はなんと…

今まで天才鯖ブログリレーにありそうで無かった「オンゲキ」メインの記事です!

(オンゲキ色が強いサーバーで過去にオンゲキ大会が3回開催されてるのにオンゲキ記事無かったのマジか!?ww)

 

そしてテーマはズバリ、タイトルにもある通り「名もなき最強のデータを作りてえ」です。

より具体的には、「GUESTプレイでULTIMATE RATING MASTER」を目指します。(!?)

 

というか、既に目指してきました。

www.youtube.com

こちらの配信アーカイブを見れば既に結果は出ているのですが…、

今回の記事では、そんな無謀な挑戦を、解説なども交えながらレポートしていきます。

 

オンゲキの仕様について

 

まず「名もなき最強のデータ」すなわち「GUESTプレイでULTIMATE RATING MASTER」とはどういうことか?というのを、オンゲキあまり知らない勢向けに簡単に説明します。

 

昨今の音楽ゲームの常識として、個人のプレイデータはICカード等を使ってオンラインでサーバーに保存しますね。

コナミゲーならe-pass、セガゲーならAime、和田ゲーならバナパス…などなど、音ゲーマーであれば誰しもが使っていると思います。

そして、こうしたICカードを使わずにプレイするとゲストプレイになります。

多くのAC音ゲーのゲストプレイでは、機能が制限された1クレをプレイでき、最低限の音ゲーのプレイを体験できたのち、クレの最後でICカードを使用したプレイデータの保存を促されて終了…といった流れになると思います。

 

ところがこのゲストプレイ、AC音ゲーでオンゲキだけは異質で、ゲストプレイでもある程度プレイデータを育てることが可能です。

オンゲキにはコンテニュー機能というものが存在するからです。

 

オンゲキはAC音ゲーでありながら、主にビデオゲーム等で用いられるGP(ゲームポイント)制が採用されています。

一般的な音ゲーでは1クレジットで1プレイというのが主流ですが、オンゲキはクレジットでまずGPを購入し、そのGPを消化することで楽曲をプレイします。

具体的なクレジットとGPの換算関係は以下の通りです。(通常1CREDIT100円)

 1CREDIT ... 100GP or 120GP (←店舗側が設定で切り替えできます)

 2CREDIT ... 230GP or 240GP

 3CREDIT ... 370GP or 360GP

 1曲プレイ ... -40GP (共通)

 選曲時間延長(60カウント) ... -10GP (共通)

 

そして、このGP制では、GPがなくなった場合、コンテニューをして追加でGPを購入することによってログイン状態を継続できます。

(店舗によってはコンテニュー機能がOFFになっている場合もあります。)

(筐体に"無制限台"等の表示が特にない場合GPがなくなったら並びと交代するのが一般的なマナーとなっています。)

 

すなわち、カードを使用せずゲストプレイで始めたとしても、コンテニューしてプレイを継続し続けることによって、時間の許す限りそれなりにデータを育て続けることができます。

 

この仕様を使って、「名もなきゲストプレイヤーがめっちゃ最強だったらめっちゃ面白いんじゃね!?!?www」と思い立ったのが、今回の企画

「名もなき最強のデータを作りてえ」

となります。

 

 

ここまで8割建前です。

 

実はこのチャレンジ、同じ天才鯖のてけし君が考案し、既にやっています。

www.youtube.com

 

この配信を見て、おもろそうだから俺もやりてえ!!!!!ぐらいのノリで始めたのが実際のところでした。

てけし&いよたけの挑戦も併せてチェックしてみてください!

 

 

ULTIMATE RATING MASTERとは?

続いては「GUESTプレイでULTIMATE RATING MASTERを目指す」の「ULTIMATE RATING MASTER」の部分について軽く解説します。

 

オンゲキには、プレイヤーの実力の指標のひとつとして「RATING」というシステムがあります。

 

これはぼくです

 

超ざっくり言えば、これが高ければ高いほど上手いです。記事執筆時点で全国1位のRATING値は22.455ぐらいです。←天才鯖のガキです

厳密には逆かも。ゲーム内でレベルの高い曲で良いスコアを取れば取るほど、このRATING値が高くなります。

オンゲキ勢では一般的に「レート」とよく呼ばれるものです。この記事でも以降「レート」と呼ぶことがあります。

 

では、このレートがどのように算出されるか?という話ですが、まずは一旦正式な計算式を書いておきます。

 

RATING値 = { (曲別テクニカルRATING値[新曲]上位10曲合計) + (曲別テクニカルRATING値[ベスト]上位50曲合計) + (曲別プラチナRATING値上位50曲合計) } ÷ 50

 

>曲別テクニカルRATING値 = スコアボーナス + ランクボーナス + FULLBELLボーナス + クリアマークボーナス

 

>曲別プラチナRATING値 = ★の数 × (譜面定数)^2 ÷ 1000

※譜面定数=譜面レベルをさらに小数点第1位まで細分化したシステム上の内部レベル値。筐体上など公式の情報からは確認できないが、有志の調査によって全曲の譜面定数が判明している。

 

オンゲキ勢はある程度見慣れた計算式ですが、他機種勢の方は多分チンプンカンプンですね…。

少し解説します。

 

オンゲキの(音ゲー面での)スコアは2種類あり、メインである「テクニカルスコア(T-SCORE)」と、内部精度によって計算される「プラチナスコア(P-SCORE)」があります。IIDXやSDVXの通常スコアとEXスコアの関係に似たシステムです。

オンゲキで曲をプレイすると、そのテクニカルスコアとプラチナスコアに応じて、それぞれ「曲別テクニカルRATING値」と「曲別プラチナRATING値」が算出されます。

 

「曲別テクニカルRATING値」は、高いレベルの曲で高いスコアを取れば取るほど高くつき、ランク(SS/SSS/SSS+など)・FULLBELL・クリアマーク(FC/ABなど)を更新すればさらにボーナスが入る、といった感じです。

そして、この「曲別テクニカルRATING値」は、さらに「BEST枠」と「新曲枠」があり、前作までで追加された曲と今作で追加された曲でそれぞれ枠が分かれています。このシステムは、ギタドラのSkillや、jubeatのjubilityに近いです。

オンゲキでは、BEST枠から上位50曲、新曲枠から上位10曲の、計60曲がトータルRATING値の算出対象曲となります。

 

「曲別プラチナRATING値」は、スコアに応じて獲得できる★の数が多いほど高いRATING値がもらえます。

P-CRITICAL判定(最高精度)を2点、CRITICAL判定を1点、それより下を0点として、

★★★★★ ... スコア率98%

★★★★ ... スコア率97%

★★★ ... スコア率96%

★★ ... スコア率95%

★ ... スコア率94%

こちらは新曲、旧曲に関わらず上位50曲がトータルRATING値の算出対象曲となります。

T-SCORE枠とP-SCORE枠は同じ曲で重複させることも可能です。

1つの譜面でT-SCORE 1010000(SSS+/FB/AB+)、P-SCORE ★5を同時に達成することで、1譜面で得られる最高RATING値となります。

 

…とここまで解説しておいてですが、超ざっくり言うと、やっぱりレベルの高い曲で良いスコアを取れば取るほど偉いとなるわけです。

 

そして、このレートが22.000以上となると、ULTIMATE RATING MASTERという称号が与えられます。インペリアルIIIですね。

ゲーム内で実際に付与される称号

 

ULTIMATE RATING MASTERがどの程度のものなのか?という話ですが、おおまかな指標としては、レベル15で半分ぐらいABFB、レベル14+で半分ぐらい理論値、レベル13+~14でそこそこな数★5が取れるぐらい…と言われているようです。(この辺は個人のプレイスタイルにもよります)

人数にして、記事執筆時点でおよそ上位200人ほどです。

 

…まあ、クソ上手いといって差し支えないでしょう。

 

というわけで、改めて今回の記事は、このULTIMATE RATING MASTERをゲストプレイで1から始めてその日のうちに達成してしまおう、というワケです。

ここまでの下手な解説でうまく伝わってるかわかりませんが、正直かなり無謀だよな~と自分でも思います。

 

準備

 

まずは先駆者のプレイも参考にしながら作戦を練っていきます。

今回この競技をやる上で特に意識した作戦は以下の3点になります。

 

・とにかくまずはBEST枠/新曲枠を埋め切ることを最優先する

当然ですが60枠を埋めるためには、プレイのうまい下手に関わらず最低60トラックをプレイしなければいけません。

なので、この枠を埋めるだけでも相当な時間がかかることが容易に想像できます。

1曲を粘着して詰め切るというよりは、ドブりそうな曲はある程度のスコアで妥協しつつ次の曲に移り、枠を全部埋めた後で必要そうならそのドブった曲も回収する…というプレイスタイルで進めることにします。

P-SCORE枠はレート値全体の5%しか占めないため一旦無視し、BEST枠/新曲枠を埋める段階でその曲でついでに回収できればラッキーぐらいに思っておきます。

 

・いわゆる「体力譜面」を真っ先に消化してしまう

オンゲキに限らずですが、音ゲーには難易度の簡単・難しいに関わらず、圧倒的物量や爆速BPMなどで体力を執拗に削ってくる「体力譜面」というものが存在します。

オンゲキだとこういうの

 

長期戦が予想され、いかにスタミナを管理するかが重要になりそうな今回の競技において、体力を消耗しきった後半戦ではこうした体力譜面は手が付けられなくなってしまうだろうと予測し、最初に回収してしまうことにしました。

しかし、体力譜面を最初にまとめてやってしまうと、そこで体力を使い切ってしまいそれ以降が全てジリ貧になってしまうかもしれないというリスクもあります。これに関しては、やってみるまでどちらが正解かわかりませんが、今回に関しては一旦そういう方針でやっていくことにします。

わかる人向けに言うと、最初に優先して回収する体力譜面はApollo、雪男、Stellar:Dream、Lazlis Gambit、MY GLORY WANTED!!!、the EmpErroR、Invisible Frenzy、GAME:CHANGER、edenです。

これら以外の曲は、次に紹介する進捗管理スプレッドシートをもとに難易度順に上から埋めていきます。

 

スプレッドシートで進捗表を作りながら進める

どの曲のどのスコアがどのくらいレートに貢献している…というデータが通常であればオンゲキnet(プレイデータをネット上で見れるやつ)で確認できるのですが、ゲストプレイではデータが保存されないのでできません。

ある程度色んな曲を詰めた後で、どの曲が詰め終わっててどの曲が足を引っ張っているか、次にどの曲を詰めればいいかなどがわからなくなり、路頭に迷うことが予想されます。

それを回避するため、曲ごとにスコアを入力すればどのくらいのレート値を獲得しているかを自動で算出してくれるスプレッドシートを事前に作って、当日それを入力しながらプレイすることによって進捗をわかりやすくしておきます。

 

こんな感じ

 

こちらは、なんとさとしさんが作ってくれました。(本当にありがとうございます)

プレイ当日に実際に使用したスプレッドシートのURLをこの記事の最後に貼っておくので、興味がある方は是非覗いていってみてください。(最後の方は埋めが割と雑になっちゃって入力してないスコアなどもありますが…)

 

また準備においては作戦立ても大事ですが、ゲストプレイで一生コンテニュー(=連コ)し続けても怒られない環境も用意しておく必要があります。

こちらに関しては、当然WGCの筐体貸切を利用させてもらいます。

画像

いつも本当にお世話になっております

 

こちらの会場を、17:00~24:00で7時間押さえておきました。

7時間ぶっ通しで体力を消耗し続けるのは、もはや労働です。

 

実践

 

念入りに作戦も立てたことなので、いよいよ実践に移っていきます。

作戦通りとにかく枠を埋めていくことに専念して、色んな曲を触っていきます。

まずは新曲枠から。

譜面定数が上の曲から順に10曲プレイしていくわけですが、この当時Λzure Vixen、Sargasso、Nýxは解禁が必要な楽曲だったため、ゲストプレイではプレイすることができませんでした。

よってプレイするべき新曲は、Distorted Fate、Our Wrenally、[HALO]、Dolphika[LUNATIC]、∀、Flow Into You、君とインフィニティ -2021-[LUNATIC]、Chronomia、QuiQ、Crazy Party Rushの10曲です。

 

 

これをサクッとABFBで埋めてしまいます。

ここまででおよそ1時間15分程度。新曲は1時間ほどで埋まるといいかな~と思っていたので、まあチョイ押しぐらい。悪くないペースです。

ここから次はBEST枠50曲分を埋めていくわけですが、10曲で1時間ということは、単純計算50曲で5時間。最終調整で1時間を使えば、ちょうど押さえていた7時間で終わる計算です。

 

新曲枠で腕を温めたところで、事前に練っておいた体力譜面を先に消化する作戦を実行します。こちらも概ね順調です。

 

ドブった譜面はそれなりスコアで妥協しつつ、BEST枠も埋めていきます。

上の画像時点で新曲枠と合わせて30曲が埋め終わりました。

ここで、とある1つの感情が芽生え始めます。

 

 

疲れた。休憩がしてえ。

 

 

そういえば腹減ったし、ニコチンも不足してるし、結構おしがまもしてる。

時間的にそんな余裕がないことは薄々わかっていたものの、コンディションが悪いままプレイを続けてスコアに影響するのも良くないと判断し、勇気の休憩を挟むことに。

休憩中、なんとWGCの店長がうな重を差し入れしてくれました。

 

近隣にめっちゃ良い海鮮屋があるらしい

 

うなぎでしっかりスタミナを回復したところでプレイ再開。

ちなみに休憩時間は20分でした。ちょっとやりすぎたか…?

 

うなぎ効果もあってか、途中スーパープレイ(←自分で言う)も何度か飛び出します。

パツイチでT理論値&(画面上では見切れてるけど)P★5、つまり1曲で回収できる最高レート値を獲得。こういうのがやりたかったんだよな~

 

そして、いよいよBEST枠50曲が全て埋め終わります。

 

 

この時点で5時間50分経過。休憩込みで想定よりちょっと巻いてペース配分的にはだいぶいい感じです。

 

そしてそのレート値は… 21.837

 

おや…?

 

思ってたより足りない。

なんとなくの予想ではこの時点で21.980ぐらいで、妥協したサボリスコアを回収して22.000ゲームセットぐらいに考えていたので、これは話が違う。

 

 

……

 

 

まあ一旦サボり回収か。

そうこうしているうちに残り1時間、歩みを進めないことには始まりません。

 

進捗表を見ると、50曲の中で一番足を引っ張っているのはthe EmpErroRであることがわかります。ドブった譜面は後回しにすると決めていましたが、7820点未ABはいくらなんでもすぎた。

というか、進捗表をちゃんとつけていて本当によかった。完全ノープランでやってたらこのタイミングで絶対に路頭に迷っていたので。改めてさとしさんには本当に感謝です。

 

というわけで、ラスト1時間は進捗表を見て足を引っ張ってそうなメンツを詰め直していきます。

 

そこそこスコアに詰め直しました。

そして追加でもらえたレート値は… +0.009。

 

 

おや……??

 

 

思ったよりもらえないww

 

これをやって+0.009ということは、残り0.154を回収するのに単純計算これをあと18回やらないといけないことになります。

ここで完全に雲行きが怪しくなってしまいました。

 

その後も、色々あがいてみます。

シンプルにスコアを更新してみたり…

 

レベルを14まで落としてP-SCORE枠の稼ぎ譜面をやってみたり…

というかレベル14でもめっちゃレートもらえるな!?マジかよ!?

 

 

と、そんなこんなやっているうちにあっという間に1時間は過ぎ…

 

気付けばWGCの閉店時間に。

 

 

終結果は…、

 

 

2 1 . 9 2 6

完 全 大 失 敗

 

ウワ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

反省・振り返り

 

というわけで、まごうことなき完全なる失敗に終わってしまった挑戦なのですが、どうしてこうなったかを分析していきます。

 

1.レート計算に関する知識が浅すぎた

ここで、AB、FC等のランプを更新した際にもらえるボーナス点を見てみましょう。

 FB...0.05

 FC...0.10

 AB...0.30

 AB+(理論値)...0.35

 

ALLBREAKって結構大事で。

ベルを逃した曲でFULLBELLを回収しにいくとか、ABのついた曲を理論値まで持っていくのは正直あんまり意味がなさそうですが、ABまで持っていくことに関してはそこそこデカい点が入るようです。

FC→ABの恩恵は、相対的に計算してノーランプからFCまで持っていくことの2倍、ABから理論値まで持っていくことの4倍価値がありました。

ランプを更新すればちょっとしたボーナスが入るらしいんだよな~というなんとなくの浅い知識はあったものの、こういう詳細な数値まではプレイ当時知りませんでした。

「HITが1個出てしまったがスコアは申し分ない曲」を、妥協スコアとして結構な数放置してしまっていたので、これをせめてABまで持っていけていれば結果は違ったかもしれません。

 

2.P-SCORE枠をナメすぎていた

冒頭で「レート値全体の5%しか占めないのでガン無視しま~~すw」などとイキり散らかしておりましたが、冷静に考えて、22.000の5%は1.100です。

最後足りなかったレート値が0.074なので、P-SCORE枠だけをちゃんと詰める意味は大いにあったようです。

最後の最後でレベル14のP-SCOREを詰めてみたら0.011がもらえたことからもわかるように、レベルを落としてでも確実に★5を取りに行ってP-SCORE枠をちゃんと埋めることもレートを上げるうえで重要であることがわかりました。

 

参考までに、進捗管理スプレッドシートを使って、仮にP-SCORE枠を全て13+の★5で埋めていた場合どうなっていたかを計算してみました。

 

 

余裕じゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!

つまりそういうことです…。

 

3.完全に時間の見通しが甘かった

↑というかこの一点に尽きます。

明確に完全なる時間不足。

まあ言い訳をすると、この日のこの時間しかオンゲキをガッツリプレイする時間が取れなかったというのはありますが…

1.2.でつらつらと机上の空論を並べてみましたが、そもそも時間がなければフルコンをALLBREAKまで詰め直すことも、P-SCORE枠を埋めることもできません。

逆に、もう数時間あれば普通に達成できてたのでは?とすら思うぐらいです。

準備段階では「BESTと新曲60曲埋め切ればそこそいい所まで行くっしょ~」ぐらいに考えていたので7時間としましたが、蓋を開けてみればむしろ枠を埋め切ってからが本番でした。

もし次があれば絶対にオーラスでWGC貸切予約します。

 

まとめ

 

「もし次があれば」とちょっと前に書きましたが。

 

絶っっっっっっっ対に再挑戦したい。

 

だってもうちょい時間あれば絶対いけるもん。

 

反省点も分析したことですし、次があればもう絶対いけます。(謎の自信)

 

ただ、現在は新曲の追加によって挑戦当時に比べて選曲プールが増え、計算上ULTIMATE RATING MASTERの達成難易度が若干下がっている状態なので、次挑戦することがあればできるだけ今回の挑戦と同じ選曲プールで再挑戦したいですね。無理そうなら普通に新曲やります

 

というわけで、最後に冒頭で触れた進捗用スプレッドシートの閲覧用URLを貼って終わりにしたいと思います。(配信の最後の方で入力がクソ適当になってしまったので実際の結果と若干のズレがあります)

docs.google.com

 

かなり長文となってしまいましたが(8600文字!?)、ここまでお読みいただきありがとうございました!

10月号もお楽しみに!

3月のTwitter断ちについて

けにちの(@Kennirio)です。

 

3月、YouTubeのとある企画を遂行するためにTwitter(※1)禁をしておりました。

 

【オンゲキ配信 #29】1ヶ月情報遮断男による『オンゲキbright MEMORY Act.3』完全初見配信! - YouTube

 

ようは、

・ハマってる音楽ゲームでデカ目のアップデートがあって激アツ!

・出来れば新作は何も知らないフレッシュな状態で初プレイしたい!

・でも稼働から1ヶ月ほどは忙しくてゲーセンでプレイができない…

Twitterをしているとどうしても他のプレイヤーがプレイした情報が流れてきてネタバレになってしまう…

・せや!1ヶ月Twitter見んといてやろ!

といった、半分社会実験みたいな狂った企画です。

 

思いついた時は超画期的だと思いましたし、実際配信もめっちゃ面白くなって最高の状態で終えることができたのですが(オンゲキわかる人は是非見てね!)…、

 

本当に大きな間違いでした。

「デジタルデトックス」という言葉があるぐらいだし、人生のうち1ヶ月ぐらいはそういう時期があってもまぁいいだろうというか、それはそれで新鮮で刺激的な生活が送れるんじゃね?ぐらいにしか考えていなかったのですが、

人間とのコミュニケーションを始め外界との接触のほぼ100%がインターネット由来で形成されたいわゆる「ネクラオタク」の私は、ただただ地獄のような苦しい毎日を送ることになるだけなのでした。

また、人間との関わりに留まらずネットニュースといった時事も目にする機会が激減するので、デカめの地震があったことを5日後に知る、みたいなこともありました。ガチで二度とやらん。

でも10年前の音ゲーって普通にこんなんだったよな?マジで当時どうやって音ゲーしてたんだっけ?

 

 

自分のネット依存具合を改めて思い知らされることになったTwitter断ち生活ですが、そんな中でその間どうやってその苦しみを紛らわせていたかというと……

 

 

こんな感じで、携帯の待受画面に青い鳥を描いたメモ帳を貼り付けて、「全ユーザーが俺1人のTwitter」でツイートを書き溜めて寂しさを紛らわせていました。(は?)

他の人の発信が見れないのもまぁそうなんですが、何より自分の思想をアウトプットする場がないというのが地味にかなりストレスだったんです。これは始めてみてからわかって、ちょい意外でした。

 

そんなわけで、「Twitter断ちをしていなかったら本来普通のTwitterでツイートしていた文章群」が1ヶ月分溜まっているわけなんですけども、

折角なのでTwitter断ちが終わった今それをネットの海に放流して供養してやろうと思います。

 

以下、Twitter断ち期間である3/5(1人Twitter生活を始めたのは7日から)~3/30までの異常独身男性の思想がただただ綴ってあるだけの内容となっています。

ようはただの音ゲーおたくクンの1ヶ月分のツイートでしかないです。興味がある方だけどうぞ。

 

 

3/7(木)

・今日も三月なのか~ [0:00]

・仕事終わってベンチで一休みしてたら目の前をどう考えてもぶっちょさんの人通った あそこまでいくともう似てる人とかじゃなくてぶっちょさんそのものだった [17:15]

・うぅ…湯郷美彩… [20:24]

 

3/8(金)

・今日も三月なのか~ [0:04]

・KoP10thの準決勝でVSぶっちょ戦になって、おれが「後で対策しようと思ってた何も知らない新曲の14+」を投げたことをすっかり忘れてて、司会の人に「ではあの特徴的なイントロを是非歌ってください!」って言われたけど対策を忘れてたので当然曲も知らずにフリーズして会場激冷めになるし終いにはボロ負けする夢見た ちなみにぶっちょさんはオンソクデイズ投げてた [5:37]

 

3/9(土)

・柴田直樹先生売ってたから買った!

[9:36]

 

・「阜」きた

[13:18]

 

・5です

[14:00]

 

・なにこれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww(クリアしてポイント集めたらトッピング無料になった)

[14:07]

 

・東海オンエアの聖地であるところの愛知県岡崎市にきました!

でもまあ時間が時間だしガチで来ただけになった

とりあえずここだけ行った

[17:38]

 

・当然冷手羽

[17:43]

 

・うなーぎ

[18:10]

 

3/10(日)

・?WWWWWWWWWWWwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[3:31]

・乳ヶ崎やばいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww元俺の女。

[15:09]

 

富士河口湖温泉にキタ!!!!!!

たかみちゃむ。。。。😍😍😍😍 #温泉むすめ

[15:43]

 

・いつもの

[15:44]

 

・ディスイズ ア ショウケース フォ ディスプレイ(だそうです)

[15:45]

 

・ウェイ戦利品🥰

[23:41]

 

3/11(月)

・13年ぶりぐらいに自販機で当たりでた [10:06]

・どんだけモンエナがぶ飲みする期間とかあってもカフェイン中毒みたいの全くなったことないけど、今「森永 大粒ラムネ」が中毒がすぎてやばい 現状これ切らすと終わる [15:02]

 

3/12(火)

・炊飯器の保温、頼むから"保温"をしてほしい あそこまでやるとそれはもう"加熱" [17:54]

・おれ「うわ、暴走族走っとる」
 ???「ホットドッグ走っとる?」[20:42]

 

3/13(水)

え、オンゲキしたすぎワロタ [9:03]

 

3/14(木)

・デジデト始まって1週間経ったのか
え、普通に苦しくてワロタ [8:58]

・え、ツイッターしたすぎワロタ [11:28]

・1128 [11:29]

・今これ

[22:24]

 

3/15(金)

こういうアクティビティするの何年ぶり?

[17:21]

え、よくよく考えたら長距離移動でツイッターできないのイカツwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww [18:35]

・いままでありがとう……。。。(;_;)

[21:29]

 

3/16(土)

・京都祇園の「🦆🍜」に来ました。

[12:00]

 

・リア脱かな?

[12:36]

 

・すべてが独特すぎだけど味が普通に"""本物"""でやばいっす これ

[12:49]

 

京都のラーメン屋入ってライス頼んだら「お出汁でスープ割りしてお茶漬けにすることもできますのでよければどうぞ〜」って言われて普通にテンション上がったし普通にバカうまかったんだけど、今考えたらこれがかの有名な「ぶぶ漬けでもいかがどすか」というやつなのでは………?? [13:01]

 

・ザ これぞ という感じの「ねずみ」、人生で初めて見たかもしれない(めっちゃかわいい)

[13:11]

 

・え、これってあのユビートソーサーで満を持してユビートプラスから移植するも2週間で謎の削除されたあの千本桜?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[15:35]

 

・10年越しのスコア更新アツすぎるだろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwつかこれ普通にエクセワンある

[16:24]

 

・maimaiの角に肘ぶつけた いたすぎる(;_;) [16:55]

 

キャットカフェ misty☆Rs

[17:28]

 

・え、blurってあの「チンチンをコピー」(空耳アワー)の?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[17:33]

 

・いよき

[18:16]

 

・いよきwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[18:20]

 

・世の中クソデカタンしか好きじゃない ベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロベロ

[20:14]

 

3/17(日)

・徳島ラーメン人生

[12:55]

 

・生島ラーメン人徳 [12:56]

 

青春18きっぷの醍醐味 これよ

[21:24]

 

3/18(月)

(ツイートなし)

 

3/19(火)

業務スーパーの冷凍鶏もも肉←安いしうまいし大容量だし長持ちする 問答無用の神
業務スーパーの冷凍豚バラ肉薄切り←カス ガムテープ [22:32]

 

3/20(水)

・休日にたくさん寝るの「寝溜め」じゃないんよな 「寝負債」を返してるだけなんよ [7:11]
・また自販機当たってくさ スパンがあるやろ スパンが [7:57]

 

3/21(木)

・8番出口のRTA、結局のところなんも見ずに全部最速で引き返し続けて1/256引いた人の勝ちなのでは…? [19:33]

・セルを結合して←まだわかる 中央揃え←これガチいらん [22:01]

 

3/22(金)

(ツイートなし)

 

3/23(土)

・外出ないとマジでツイートすることなくて草だな [15:29]

・まあもともと投稿頻度こんなもんだったよな、このツイッター断ちで本当にツイッターいらなくなっちゃった、とかではない…よな?? [15:31]

・去年のおれが優秀すぎたあまり配信準備10分で終わって神すぎる [23:31]

 

3/24(日)

たまによく見かける「日本人だけが読めない!?日本語にしか見えない英字フォント」的なやつ、普通に読めなくて悔しいから逆に「アルファベットっぽい日本語フォント」も作ってくれ 無双させてほしいおれに [11:00]

 

3/25(月)

ネット断ちですることないのでけにちのクッキングが捗る捗る

[22:12]

 

3/26(火)

デジタルデトックスってデトックスって付いてるだけあってネット社会から解放されて心身共にリフレッシュ!っていうやつじゃないのか?
おれのネット断ち、やり方が悪いのか知らんけどただただ苦しいだけなんだけども [10:08]

 

3/27(水)

今月だけでもう3回自販機当ててるんだが!?しかもくそ安いコーヒー買って当たり枠で魔剤交換してる 海老で鯛を釣るとはこのこと [15:06]

・一夜限りの麺処高瀬復活(激アツ)

[19:01]

 

3/28(木)

・気が付いたらこんな時間に自分でもわけがわからず何故かいきなりクソデカべっこう飴を作成し始めており、情緒の危機を実感(おいしかったです)

[23:10]

逆転裁判3、リアタイでプレイしてたガキの頃は全然気付かなかったし最後の方の話の印象がデカすぎて全く覚えてなかったけど、1話とか2話とかでめっちゃ丁寧に伏線張りまくってたんだな(実況動画を見ながら) [23:22]

こたけ正義感のギルティーチャンネル、推しです [23:23]

 

3/29(金)

・ふーん、じゃあおれが作ったってこと?🤩

[20:46]

 

3/30(土)

・これは15年来の友人との久々の再会にテンション上がりすぎるあまり意図せずジョワユースみたいになるおれ

[0:28]

 

・こいつガチでいいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[2:18]

 

・大宮 どでん

[15:14]

・昔こんなんばかみてーにしょっちゅう食ってたのに今もはやちょっと懐かしい気分になってるの、改めて最近娯楽足りてなかったなあと実感 [15:26]

 

・えええええええええええええええええええええええええええええ突然秋葉原から出れなくなっておわったwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[16:52]

 

・っぱ、これよ

[19:29]

 

・紅生涯……初めて聞く食材だ

[20:28]

・紅に染まったこの俺を慰める奴はもういないってこと? [20:31]

 

・なんでだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[22:37]

 

・厨パ使いに投げるmacOS譜面、最高‼😄

[23:12]

 

3/31(日)

・えマジでなにこれwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[1:00]

 

オケメン9 3年ぶりぐらいに見たwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww [1:06]

 

・9 9 6 9 5 3

[1:33]

 

・へたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

[1:38]

 

・4年越しのリベンジを、果たしました

[1:43]

 

・は?ボケが

[2:20]

 

・Sailing Force PUC!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

[2:27]

 

・2 Beasts Unchaind PUC!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

………

で、寝て起きて配信してTwitter禁解除という流れになります。

 

最後に

・長すぎ

ツイ廃じゃん。

・書いてて思ったけど、まさか本当の意味での「ブログ」の記事を書くことになるとは…。

・ここまで見てくださる方はまさかおらんとは思いますが、お付き合いいただき誠にありがとうございました。

 

 

※1 当該SNSを「X」と呼ぶ風潮もあるそうですが、現状は公式が勝手に言っているだけに過ぎないので当記事ではTwitterと表記しています。

「3600族(3600属)」って何なん?

 

はじめに

音ゲーにおいて「3600族」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

インターネットの海を漂っていると、「3600族って何?」「意味はわかるけどなんで?」といった声を見かけることが度々あるんですが、詳しい解説が意外とどこにも見つからなかったので需要がありそうだなと思い、改めて解説記事を書いてみようと思いました。

筆者、長い文章を書くのがとても苦手なので、ところどころ日本語が支離滅裂だったり、簡潔にまとめられず無駄に長くなったりするかもしれませんが、少しでも役に立てていただけたら幸いです。

本記事の内容の一部は、メーカー等が公式に発表している情報ではなく、ユーザーの経験則や推測などによる仮説に基づいています。内容が完全に正しいことを保証するものではありませんので、予めご了承ください。なお、筆者の語彙不足や知識不足などによる、明らかに事実と異なる記述があった場合は、ご指摘をお願いします。(クソデカ保険)

 

そもそも「3600族」とは?

まずは音ゲーマーの間で囁かれている3600族(3600とも)ってそもそもどういう意味?という話です。

 

ずばり、音ゲーにおける「3600族」とは、

BPM3600の約数である楽曲群

のことを指します。

では、なぜBPMが3600の約数の曲だけ「族」という言葉で呼ばれるほど特別視されているのか?という疑問が生まれます。

それは、
AC音ゲーにおいて、BPM3600の約数である曲は(そうでない曲に比べて)4分音符の判定が素直になりやすい
という性質があるからです。

判定が素直だということは、当然精度が安定し上位判定が狙いやすくなるので、高ランクやスコア理論値が狙いやすい、最上位判定が前後1フレームなどの判定がシビアな曲でスコアが詰めやすいなどといった恩恵があります。

3600の約数は45個ありますが、音ゲーの楽曲のBPMとしてありがちなのは
... 100, 120, 144, 150, 180, 200, 225, 240, 300 ...
あたりでしょう。BPMがこの値である曲を見ると、玄人音ゲーマーは歓喜します。精度が取りやすいので。筆者のオンゲキの推しキャラである高瀬梨緒ちゃんのHere We Goも150BPMだよ!ヤッター!

 

ただし、表記BPMが3600の約数であれば無条件で判定が素直になるかというと必ずしもそうではなく、例外もあります。例えば(主にSEGA機種で)表記BPMは3600の約数でも曲中でBPMが3600の約数でない値に変化していたり、曲中に人間の生演奏やボーカルなどの不安定な音が使われていたりなど、他に判定がズレ得る要因がある場合は、判定が素直にならないこともあります。Here We Goはボーカルが乗ってるので実はそんなに判定綺麗じゃないよ!高瀬、嘘だよな…?

そしてここが一番勘違いされやすいところなのですが、(実は冒頭にもこっそり書いてあるとおり)理論上判定が素直になるのは、BPMが3600の約数の譜面のうち「4分音符(拍)」だけです。4分音符(拍)以外の(8分や12分、16分などといった)ノーツは、必ずしも判定が素直になることは保証されません。

 

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ただ、4分音符以外のノーツでも大丈夫なパターンもあります。例えば、音符の長さの性質より、150BPMの8分音符は300BPMの4分音符と同じ速さです。300は3600の約数なので、300BPMの4分音符は判定が素直になります。この場合、同じ速さである150BPMの8分音符も判定が素直になります。同様に、例えば200BPMの24分音符も(無理やり計算すると)1200BPMの4分音符と同じ速さで、1200は3600の約数なので、200BPMの24分音符も大丈夫になります。
このように、𝒙 BPMの 𝑛 分音符を 𝒚 BPMの4分音符に換算したとき、𝒚 が3600の約数の場合は、𝒙 BPMの 𝑛 分音符も同様に判定が素直となります。

 

上記のような4分音符換算を、各3600族の主要BPMと各音符の長さでそれぞれ計算した時の換算後BPMと、その音符で判定がズレるかズレないか(=3600の約数であるか)の対応表を作りました。

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この表から、実在する譜面で具体例を挙げていきます。

 

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▲チュウニズムの初音ミクの消失[MAS](240BPM)。左半分の8小節は8分で構成されているので拍以外はズレてしまうが、右半分の8小節は12分で構成されているので全てのノーツで判定が綺麗になる。

 

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▲オンゲキのSparkle[MAS](144BPM)。144BPMは拍以外の全てのノーツがズレてしまうため、実は3600族の恩恵は少なめ。

 

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▲オンゲキの7thSense[MAS](150BPM)。一見複雑なリズムだが、24分・16分・12分・8分のみで構成されているので、なんと全てのノーツで判定がズレないことになる。150BPMはほぼ全ての音符で3600族の恩恵を受けられる。

 

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▲オンゲキのPinqPiq (xovevox Remix)[MAS](150BPM)。この曲は全体的に16分と24分ハネのちょうど中間である「19.2分」でハネているのが特徴。とんでもないリズムに思えるが、150BPMの19.2分は計算すると720BPMの4分音符に相当し、720は3600の約数であるため、なんと150BPMの19.2分は判定が素直ということになる。PinqPiq (xovevox Remix)は8分・19.2分・24分のノーツしか存在しないため、にわかに信じがたいが全てのノーツの判定がズレないことになってしまう。ほんとか?

 

150BPMマジ最強。この世の音楽ゲームの曲全部150BPMで作ってほしいです。(?)

曲中にBPM変化が無く、かつ他に判定がズレる要因がなければ、150BPMは判定が素直で精度が取りやすい!と思っていいです。(PANDORA PARADOXXXの20分音符のような特殊なリズムが登場すると話は別ですが…)

beatmania IIDXで単発スコアアタックの代表曲として『Fly Above』が挙げられるのは、BPMが150だからというのも要因のひとつと言えるでしょう。

また、150BPMでなくとも、3600族であればその恩恵を受けられるシーンは十分にあります。

例えば、maimaiという音ゲーには通常ノーツに混ざって「ブレイク」というノーツが一定数登場しますが、これは前後1フレームという非常に厳しい判定を取らなければ満点にならないノーツです(通常ノーツは前後3フレーム)。しかし、このブレイクノーツは曲のフレーズの変わり目やアクセントとして用いられることが多いので、たいていは拍頭に配置されることが多いです(もちろん高難易度譜面だとそうでないこともありますが)。そのため、たとえ拍頭以外のノーツの判定がわずかにズレていたとしても、達成率理論値を狙うことにおいては、3600族の恩恵を十分に受けられるでしょう。

皆さんも音ゲーでスコアを詰めたり理論値を狙ったりしたい場合は、まず150BPMをはじめとする3600族の曲から挑戦してみるというのもひとつの手ではないでしょうか。

 

なぜ「3600族」?

ここまで3600族の意味についてだけひたすら語ってきましたが、次は「じゃあなんでBPMが3600の約数だと判定が綺麗になるの?」という話です。この章では、3600族の判定が素直になる原理を解説していきます。

まず、解説のための前提知識を知っておいていただく必要があるので、簡単に説明していきます。

BPM」の定義

音ゲーの基礎のおさらいです。そもそも「BPM」って何だっけ?というお話。

BPMは「Beat Per Minute」の略で、1分あたりに刻む周期的なビート(拍・鼓動)のことです。主に曲の速さ(テンポ)や心拍数を表す単位として使われます。曲の速さの単位として使われる場合は、BPM値が高ければ高いほど、速いテンポの曲(心拍数)ということになります。 

音ゲーで150BPMというと、拍(=4分音符)を1分間に150回ちょうど刻む速さということになります。60秒を150で割ると0.4秒なので、1拍0.4秒のリズムを正確に刻む速さということになります。

基本的なことですが、この「1分間」に刻む「4分音符」の回数という点をよく覚えておいてください

FPS(フレームレート)」について

次に「FPS」についてです。ここでいうFPSは、本人視点でキャラクターを操作し戦うゲームのファーストパーソン・シューティングゲームのことではなく、画面のフレームレートの方です。

ご存知だとは思いますが、テレビやゲームなどで画面に表示される映像が動いているように見えるのは、少しずつ動かした静止画を目にも止まらぬ速さで連続的に切り替えることによって、まるで動いているかのように見せかけているからです。これは、我々が住む日本でおなじみのアニメが動く原理と全く同じです。

もちろん音ゲーのモニターもそれは同じで、画面上に描画したノーツを少しずつ判定ラインに近づけるように動かした無数の静止画を組み合わせることによってノーツがスクロールしているように見せかけています。

この1枚1枚の静止画のことを、「フレーム」と呼びます。(当記事では、そのフレームの数を1F、2F…と数えます。)

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▲モニターに描画されたノーツが動いているように見える様子。この画像は説明のために大雑把に動かしているが、実際はもっと細かく動いている。

 

そして、このフレームをどれくらいの速さで切り替えるかのことを「フレームレート」といい、FPSという単位で表します。

FPSは「Frame Per Second」の略で、1秒あたりに何枚のフレームを表示するかを表します。「30FPS」というと、1秒あたり30枚のフレームが描画されていることになります。このFPS値が高ければ高いほど、映像がより滑らかに動いているように見えます。

 

「3600族」との関連

前提となる知識を説明したところで、話を本題に戻します。

 

一般的に、AC音ゲーのモニターのフレームレートは60FPSであるとされています。(ここ超重要)

※これはモニターの規格で決められていることなので、そういうもんだと思っといてください。

※なお、下記のような一部の最新機種はモニターのフレームレートが120FPSであることが公式から発表されています。

太鼓の達人 ニジイロVer [ソース]
beatmania IIDX Lightning Model [ソース]
・SOUND VOLTEX Valkyrie Model [ソース]

※maimaiでらっくすは、2019/10/17のアップデートで入力精度だけ120FPSに向上したものの、モニターのフレームレートは60FPSで据え置きのようです。モニターも120FPSに変更するなら筐体(モニターそのもの)ごと変えないといけないですからね。[ソース]

 

 また、フレームの描画速度に合わせて、入力判定処理も1/60秒に1回のペースで行われています。(垂直同期といいます)

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音ゲーの基本的な入力判定のタイムチャート。モニターの描画と入力判定は1/60秒ごとに行われる。

 

さらに、描画、入力判定に合わせて、ノーツの判定も同じようにフレーム単位で処理されています。叩くべきぴったりのタイミング(判定の中心)から入力が何Fズレたかによって、PERFECT、GREAT、GOOD...のようにランク分けされていきます。

それぞれの判定ランクが何F分用意されているかは、機種によって違います。例えば筆者のよくプレイするSEGA機種では、maimaiのPERFECTは(判定の中心から)前後3F、チュウニズムとオンゲキのCRITICALは前後2F、さらに上級判定のmaimaiのCRITICALとオンゲキのPLATINUM BREAKは前後1Fといわれています。

 

 

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▲最上位判定が前後1Fの音ゲーの例。多分このような判定の音ゲーは実在しない。

 

ところが、この上の図はあくまでも「ノーツを叩くべきタイミングがフレーム更新のタイミングとちょうどぴったり重なり、判定の中心のタイミングでノーツの描画が判定ラインと完全に重なる場合」の例です。

実際に世の中のゲーセンで稼働している音ゲーでは上の図のような場面は少なく、本来ノーツを叩くべきタイミングがフレーム更新のタイミングとズレてしまっている場合がほとんどです。つまり、あるフレーム更新タイミングから次のフレーム更新タイミングの間の1/60秒間のうちに、本来ノーツを叩くべきタイミングが来ることもあるのです。

これはすなわち、見た目上のノーツの描画が判定ラインにぴったり重なっているフレームが存在しないということにもなります。

なぜなら、入力判定は1/60秒に1回しか行われないのに対して、現実時間は無限に連続してるためです(当然っちゃ当然ですが)。

 

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このようなノーツが音ゲー側でどのように処理されているかというと、次のフレーム更新のタイミングが判定の中心であることにされてしまいます。つまりタイミング的には、数ms~十数msほど遅れて配置されてしまうことになります。

 

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例として、280BPMの16分連打を考えてみます。iLLness LiLinですね。

280BPMはBPMの定義より、「1分間(60秒間)に4分音符を280回刻む速さ」でした。よって280BPMの4分音符の速さを秒で表すと

 60[s] ÷ 280 = 0.2142...[s]

となり、16分音符は4分音符をさらに4等分した速さなので、

 0.2142...[s] ÷ 4 = 0.05357...[秒]

となります。つまり280BPMの16分連打は、1打あたり約0.053秒の間隔で刻むべきノーツということになります。

これに対し、音ゲーのフレーム更新の周期は1/60秒で、

 1 ÷ 60 = 0.01666...[秒]

なので、音ゲーの判定の周期(フレーム更新の速さ)は1Fあたり約0.016秒の間隔ということになります。

叩くべきタイミングは0.053秒間隔で、ノーツとしての判定は0.016秒間隔ということは、この2つの周期は噛み合わずに、段々とズレていってしまいます。これを60FPSの音ゲーの判定の仕様に落とし込むと、下図のようにノーツの判定の間隔がガタガタになってしまいます。

 

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※ちなみに※

SDVXやIIDXをはじめとするKONAMI製の音ゲーでは、このような判定ズレが発生する場合には、見た目上のノーツの描画を内部判定のタイミングの上にわざとズラして、判定ラインに全てのノーツが絶対にぴったり重なるように作ってあります。

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▲よく見るとぴったり等間隔ではない。

 

 

 

もし仮に、判定周期の1.666[ms]と噛み合うようにちょうど1.666[ms]間隔でノーツが降ってきてくれれば、このようなズレは発生しません。

 

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▲こうなってくれれば苦労しない…

 

全てのノーツの判定がフレーム更新周期と全く同じタイミングで降ってきて、間隔がガタガタにならず、判定タイミングが綺麗に等間隔で配置され、ノーツの描画も判定ラインにぴったりと重なるような、そんな「都合のいい譜面」があれば、こんなズレを気にしなくてもいいのに…

 

 

 

 

そう、

実はまさにそれが、

BPMが3600の約数である曲(の、4分音符)

なのです。

 

実際に具体例を挙げて計算してみます。

 

こんどは300BPMの16分連打を考えます。幽玄ノ乱ですね。

まず、300BPMの16分は1200BPM(1200は3600の約数)の4分と同等なので、3600族です。

300BPMの16分音符の間隔は、先程280BPMで行ったのと同様に計算すると、

60[秒] ÷ 300 ÷ 4 = 0.05[秒]

となります。

フレーム更新周期は1/60秒(0.01666...秒)だったので、3F分で3/60秒(0.05秒)ということになります。

なんと、ノーツの間隔とフレーム更新周期が0.05秒でぴったり一致しています

つまり、常にちょうど3Fに1ノーツの間隔でノーツが降ってくることになります。

 

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▲さっきの「こうなってくれれば苦労しない」が現実に。やったね!(これは罠で、300BPMの16分は普通に速いので苦労はする。)

 

これは、3600族の他のBPMで同じように計算しても、同様にノーツの判定がフレーム更新周期とぴったり重なる結果になります。

 

 

では、なぜBPMが3600の約数だと、このようにノーツの判定が等間隔に並ぶのでしょうか?

 

 

それは、ここまでの内容が理解できていれば実は割と簡単な話です。

1Fが1/60秒ということは、1秒間に60F、つまり1分間に3600Fが存在することになります。

この3600F均等に分割できるように判定を配置すれば、綺麗な判定であることになります。

3600を均等に分割できる数といえば、3600を割り切ることのできる数、つまり3600の約数です。

例えば3600を150等分に分割すれば、3600 ÷ 150 = 24 なので、ちょうど24Fに1回の判定を配置できることになりますし、同様に180等分すれば20F、200等分すれば18F間隔で均等にノーツの判定が配置できることになります。

そしてこの150, 180, 200といった数字、ものすごく見覚えがあるような気がします…。

そう、3600族のBPMです。

BPMの定義は1分間に刻む4分音符の回数のことでした。(←よく覚えておいてくださいと言った部分です。)

これはすなわち、3600Fのうちに刻む4分音符の回数ということになります。

 

3600Fのうちに刻む4分音符の回数【BPM3600をちょうど均等に分割できる回数【3600の約数】のとき、判定が等間隔で綺麗に整列するので、判定が素直になる

というわけです。

 

これが、「BPMが3600の約数である曲の4分音符は判定が素直になる」ということのからくりです。

 

おわりに

冒頭で「無駄に長くなるかも」と言いましたが、マジでめっちゃ長くなりました…

ここまでしっかり読んでくれている人は果たして存在するのでしょうか…

とにかく、「BPMが3600の約数だとハッピー!」という趣旨が少しでも伝わってくれていると幸いです。

記事について感想、質問、指摘などがありましたら、筆者Twitter@Kennirio】までよろしくお願いします。

3600族でスコアを詰めて、良い音ゲ―ライフを!